エスキス攻略

【修正UP!】階段の描き方(階高4,000mm)

 

今回は「階高4,000mm」の階段について学んでいこうと思います。
製図試験では最もポピュラーな階段であるため、試験を望む受験生であるならば、
正確に描くことが合格への第一歩となります。では、解説していきます。

 

目次

・階高4,000mmの階段寸法と必要段数

・利用者用階段①(7mスパン)の描き方

・利用者用階段②(6mスパン)の描き方

・管理用階段・屋外階段の描き方

・さいごに

 

まず、基本的な階高である4,000mmの場合について利用者用・管理用で分けて考えます

・階高4,000mmの階段寸法と必要段数

利用者用:踏面300mm・蹴上160mm・階段及び踊場幅1,400mm
階高4,000mm÷蹴上160mm=25段(必要踏面枚数24枚)

管理用:踏面240mm・蹴上200mm・階段及び踊場幅1,200mm
階高4,000mm÷蹴上200mm=20段(必要踏面枚数は19枚)

円滑化誘導基準に基づく利用者用階段・建築基準法施行令に基づく管理用階段の寸法によって、階高4,000mmの場合に必要な階段の段数は、利用者用25段・管理用20段となりました。これらの階段寸法と段数について理解すれば、階高4,000mm階段を描けるようになります。では、7mスパンと相性の良い利用者階段①について考えてみましょう。

 

・利用者用階段①(7mスパン)の描き方

 

階高4,000mmの場合の利用者用階段①は「7mスパン」に非常に相性が良いです。
この階段は段数26段(=13段×2)で構成されています(最低25段必要なのでOK!)
踏面300mm以上・蹴上160mm以下・階段幅及び踊り場を1,400mm以上を確保できている階段です。この階段の描き方を次の表でまとめたのでご覧ください

 

・利用者用階段①(7mスパン)の描き方(手順)

 

【手順】
①:柱壁芯から2,000離して線を引く(ちょうど2マス離す)(手すりは仮線)
②:①で引いた線を外側300だけオフセット線を引く。(手すりは中線で描く。)
③:①で引いた線を内側300だけオフセット線を引く。
④:③で引いた線の内側を2等分する。
⑤:④で引いた線の内側をさらに各4等分する。
⑥:上り表示を描いて完成!(特定防火設備の表記を忘れずに)

 

 

・利用者用階段②(6mスパン)の描き方

 

階高4,000mmの場合の利用者用階段②は「6mスパン」に非常に相性が良いです。
この階段は段数26段で構成されています(最低25段必要なのでOK!)
踏面300mm以上・蹴上160mm以下・階段幅及び踊り場を1,400mm以上を確保できている階段です。この階段の描き方を次の表でまとめたのでご覧ください

 

 

・利用者用階段②(6mスパン)の描き方・まとめ

【手順】
①:柱壁芯から1,750離して仮線を引く(「囲」の漢字みたいに)
②:①で引いた仮線をもとに「ロ」の字の手すりと段差の一本線を描く。
③:②で引いた段差の線の間にある踏面の枚数を振り分ける

条件段数25段(=踏面枚数24枚)以上かつ踏面300以上となるように、踏面の枚数を振り分ける。上の例でいえば、段数を26段(踏面枚数は25枚)かつ踏面300以上となる組み合わせより、25枚水平方向8枚×2+垂直方向3枚×2+コーナー踊り場1枚×3と踏面枚数を振り分ける。※( )は階段の踏面としてはカウントしない。あくまで階段へ上がり下がりする床として考えるので、階段の踏面としては考えない。

④:③で計算した踏面の枚数を考えて、引いた線の間にあるn等分する。
踏面の枚数が「8枚必要→2等分」 / 「3枚必要→3等分」 で対応する。
⑤:水平方向の階段をさらに「4等分」する。(これで8枚を8等分完了)
⑥:上り表示を描く→完成!(特定防火設備の表記を忘れずに)

ここで一つポイントになるのが、③の手順で踏面の枚数を振り分けること。
「利用者用階段②」は1回転する階段です。利用者用階段①のように単純に必要な段数を2で割って計算して切り上げ枚数分の踏面を描く折り返し階段とは異なります

水平方向と垂直方向それぞれの階段の踏面の枚数を振り分けるという一手間が必要になります。ここでは段数ではなく、振り分ける考慮要素として「踏面の枚数」で考えることで、単純にn等分(n:任意の数)として図面に描きやすくなります。(※必要段数はあくまで階高から計算して導出した数字にすぎないので、階段を分割するときは踏面枚数を基本に考えるとよい)

 

製図くま
製図くま
「必要段数ー1=踏面の枚数」という関係は常に意識しよう。

 

 

・管理用階段の描き方

 

階高4,000mmの場合の管理用階段は「すべてのスパン」に対応可能です。
この階段は段数20段で構成されています(最低20段必要なのでOK!)
踏面240mm以上・蹴上200mm以下・階段幅及び踊り場を1,200mm以上を確保できている階段です。この階段の描き方を次の表でまとめたのでご覧ください

 

 

 

 

管理用階段の描き方・まとめ

 

【手順】
①:柱壁芯から1,300離して線を引いて(踊り場有効1,200)、手すりも描く。
②:階高4,000に達するのに必要な段数を計算して枚数をチェックする。(↑図の右上に記載)

条件段数20段(=踏面枚数19枚)以上かつ踏面240以上となるように、踏面の枚数を振り分ける。上の例でいえば、段数を20段(踏面枚数は19枚)かつ踏面240以上となる組み合わせより、19枚水平方向9枚×2+踊り場1枚と踏面枚数を振り分ける。※( )は階段の踏面としてはカウントしない。あくまで階段へ上がり下がりする床として考えるので、階段の踏面としては考えない。

③:②で引いた線の内側を3等分する。
④:③で引いた線の内側を各3等分。(踏面9枚分を9等分したことになる)
→上り表示を描いて完成!(特定防火設備の表記を忘れずに)

ポイントは、①で最初に踊り場の有効寸法1,200mmを確保するために、まず柱壁芯から正確に1,300mmだけ離して段差の線・手すりを描くことです。あとは一気に9等分(=3等分×3等分)をすることでスピーディーに図示しましょう!

 

 

・屋外階段の描き方

屋外階段も管理用階段と同様に描けます。ただし、短手方向が芯々寸法2,400mmということに注意しましょう。(3,000mmでもいいですが、敷地周りのへり空きが600mmだけ不利になってしまうので、建物の後退具合によっては出入り口を設けた側の敷地内通路1.5mの規定に引っかかってしまう恐れがあるので、芯々寸法2,400mmで計画することを強くオススメします。)

 

 

・さいごに

いかがでしたでしょうか。製図試験の中でも基本となる階高4,000mmの描き方やその手順について整理できたら幸いです。特に、階高から必要な階段段数を計算したあとに、「踏面の枚数」を考えた後に階段をn等分して描くことができると思います。

特に、階段は眺めていても中々描けるようにならないので、最低一日につき一回は時間を測って今回扱った4種類の階段を描くことで階段マスターへの第一歩を目指しましょう。

以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
お役に立てられたらうれしいです。

 

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