今回は、エスキスのときに色分けが必要となるマーカーライン5色についてご紹介します。受験生によって色の使い分けはさまざまなので、もうすでに自分でマーカーペンの色決めを行っている方はこの記事をスキップしてもよろしいかと思います。
製図本試験では、エスキスに取り掛かる前に約15分間で問題文の読み取りとマーカー線引きを行います。試験時間6時間30分という限られた時間の中で製図試験を突破するためには、最初に問題文を読み取る段階で情報処理を正しく行う必要があります。
そこでマーカーラインの色をしっかり使い分けることで視覚的に判断できるようになることが合格への第一歩なのです。
では、さっそく色分けマーカー5色について紹介します。
用意するのは、次のピンク色・黄色・オレンジ色・緑色・水色の5色です。
①重要・屋外系 ②数字系(〇㎡)
③隣接・近接系 ④什器系
⑤否定系 〇 ⑥初見・要注意系
それぞれの色分けについて解説していきます。最初はマーカーを引く項目がいっぱいあって大変ですが、5回もやれば体で覚えるはずです。
①重要・屋外系
まず重要系はピンクです。具体的な項目として、重要なものは次です。
・敷地図の数字(敷地幅:35m、道路幅:12m、面積1500㎡など)
・歩道の有無 ・周辺環境(住宅・商業施設・病院など)
・建ぺい率 ・床面積の合計 ・設備方式(水道直結増圧方式など)
・構造(RC造3階建てなど) ・天井高指定 ・階指定(屋外施設も含む)
・勾配屋根の指定 ・吹き抜け ・無柱空間 ・○㎡以上 ・屋外施設
・断面図の切断位置(〇〇を含む。南北方向なのか) etc.
特に重要な項目についてピンク色を用います。出来るだけ最小限にマーカーを使うことをおススメしますが、上記の項目は最低限引きましょう。ピンク色の内容でミスをしてしまうと、大減点あるいは一発失格となるので要注意です。
②数字系(〇㎡)
要求室の右欄「床面積」の数字に黄色を引きます。これはあくまで、床面積の計算時に数字を見落とすことがないようにするために引くマーカーです。屋外施設についてはピロティ形式などを除いて原則、床面積に算入しませんので、マーカーは不要です。
③隣接・近接系
このオレンジ色は非常に重要です。要求室同士で隣接・近接する場合に用います。問題用紙を見た瞬間に、オレンジ色があるということはそれらの要求室は必ず、どこかの室と関連性がある、屋外施設から直接行き来できる、などといったゾーニングを考える鍵・指標となるからです。
逆に言えば、このオレンジ色で結ばれる要求室をエスキスプランの中に入れていったん処理したあと、残りの室をメイン部門と管理部門で最低限分離させ、先ほど紹介した①ピンク色の重要系の内容を満たすような図面が出来れば、合格レベルに達することが可能です。オレンジ色はエスキスプランを考える上で非常に重要なマーカーの色なのです。
④什器系
緑色のマーカーは”什器系”となります。たとえば、要求室が「レストラン」の場合、特記事項内で「テーブル(50席)、厨房、カウンター」などを設けるように指定された場合には、什器一つずつチェックしていきます。
これらは、エスキスプランが固まったあとに作図で描き上げればいいので、緑色に統一します。什器だけの色をあえて一色に決めることで、マーカー引き時間の短縮化や見直しのチェックにも有効です。
⑤否定系
水色のマーカーは、”床面積に算入しない。“などいった否定的な文言が書かれていた場合に使用します。基本的に試験問題の文章は、直接的な表現である肯定文(~とする。~である。)でほとんど書かれています。
直接的な表現の文章が多く占めている中で、もう一度問題全文を読み返して否定文を探すとなると、かなりの時間ロスに繋がります。よって、最初の段階(発見した段階)で水色マーカーを引くことが大事です。この色のマーカーを引く回数は非常に少ないと思いますが。
〇 ⑥初見・要注意系
最後は、最終奥義・赤マジックです(笑) この色は今までの練習課題で見たことないような内容にぐるぐると明らかに目立つように〇印で大きくチェックします。
マーカー5色とは別に赤色のマジックペンを用意しましょう。このペンを使うときは、初めて見かける問題(練習では一度もやったことがない内容)や、要注意な項目を見かけたときに使います。
ポイントとしては、重要系のピンク色よりも目立つくらい大げさに〇をしてください。
他の色と同程度に目立つくらいのマークでは、この赤マジックの威力が発揮できません。
ここぞ、というときに使う最終奥義の赤ペンであるということ念頭においてください。
以上で、マーカー5色(+赤マジック)の説明は終わります。
マーカーの使い分けで問題の情報処理を円滑かつ適切に行うことで、
エスキスプランを効率的に作成することができます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。